確定診断から転院までの経緯(2018年11月〜12月)

舌癌サバイバル記

確定診断から転院までの経緯(2018年11月〜12月)

前回のあらすじ

舌の裏側にできた白いできもの。口内炎かと思い、近所の医院を受診したところ「潰瘍」と診断され、切除と薬剤塗布の処置を受けました。しかし、その後もまったく改善が見られなかったため、大きな病院で診てもらうことを決意しました。


経過のまとめ(所要:約1ヶ月)

  • 11月7日:D医科大学附属医院にて生検
  • 11月12日:舌癌(高分化鱗状細胞癌)と診断
  • 11月21日:北京A医院にて手術待機
  • 12月6日:天津B医院に転院

11月7日:生検を受ける

初めての生検

家族の勧めもあって、地元の大学病院(D医科大学附属医院)を受診しました。医師は患部を見るなり「すぐに生検をしましょう」と。部分麻酔をしての処置でしたが、正直なところかなり痛かったのを覚えています。

検査結果は1週間ほどで出るということで、その時点では大きな不安は感じていませんでした。最初に「潰瘍でしょう」と言われていたこともあって、「まあ、待つしかないか」といった気持ちでした。

生検後の診断書 


11月12日:舌癌(高分化鱗状細胞癌)と確定診断

11月12日の早朝、病院から電話が入り、「すぐに来てください」との連絡。病理検査の結果は「高分化型の鱗状細胞癌」――つまり、悪性腫瘍の一種である舌癌と診断されました。

ただ、不思議なことに、この時もそれほどショックは受けませんでした。「ああ、できてしまったんなら、手術して取ってもらおう」と、意外なほど淡々としていました。

というのも、それまでの生活に支障がなかったからです。少しだけ痛みはあるものの、食事もできるし会話もできる。私の中で“癌”というと、もっと体調全体に異変が出るイメージがあったため、「これは治る癌なんだろう」と、どこか楽観的に考えていました。


不安よりも感じたのは、ある種の“安堵感”

このとき、実は私の中に強くあったのは「ようやく仕事から離れられる」という安堵感でした。

当時、仕事のプレッシャーに常に追い立てられており、朝4時ごろには自然と目が覚め、頭の中で仕事の課題や悩みがぐるぐると回り続ける。結局、6時半ごろまでベッドで葛藤し、起きる頃にはすでにヘトヘトという毎日を繰り返していました。

そういった日々から「一時的にでも解放される」という思いが、癌に対する不安よりも勝っていたのです。


家族の支えと中国ならではの事情

一方で、家族、とくに義父は大きなショックを受け、心から心配してくれました。そして、今回の治療においては義父が終始、私のサポートをしてくれました。

中国では“縁故”のつながりが非常に強く、義父の知人を通じて、医療面でさまざまな支援を受けることができました。今とは状況が違うとは思いますが、私の治療経緯はかなり特殊だったと思います。


北京での手術を提案される

手術が必要となり、私は家族のいる地元での手術を希望していました。日本にいた頃は、「地方と都市部でそれほど医療格差はない」と思っていましたが、義父は「地元よりも北京の病院の方がずっと安心できる」と提案。しかも、その病院への手配が可能とのことでした。

妻とも相談の上、最終的に北京での手術を選ぶことに決め、義父とともに現地へ向かいました。


11月21日:北京のA医院で手術待機

A医院でまずは口腔科の医師と面談・診察を受け、入院のための手続きを進めました。

しかし、病院側は非常に混み合っており、手術のスケジュールがなかなか決まりません。結果として、病院近くのホテルで数日間待機することに。

この頃の私は、「焦ってもしょうがない」と気持ちを落ち着けていたものの、毎日、鏡で舌の裏の状態を確認しては「大きくなってないし、大丈夫だろう」と、自分を納得させていました。


空気汚染と初めての北京

初めて訪れた北京は、空気の汚染が深刻で、毎日のようにニュースで注意喚起がされていました。「これは本当に深刻なんだな」と実感したのを覚えています。(写真撮影の日は随分といい感じに撮れてますが、、、)

せっかくなので、観光もして気分転換を図りましたが、1週間、2週間経っても手術の予定がまったく立たない状況が続きました。


12月6日:天津B医院に転院

さすがにこのままでは、ということで再び義父が動いてくれました。手術の受け入れが可能な天津のB医院への転院が決まり、12月6日に正式に入院

生検からちょうど1か月。ようやく本格的な治療がスタートすることになります。


次回予告

次回は「手術 〜舌部分切除〜」についてです。人生で初めての手術。ちょっと日本ではないような入院事情や手術について記載していきます。

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